Story
あらすじ多忙な脚本家と、書きたい物語を胸に抱えたまま形にできない会社員。ふたりの暮らしを支えるスマートホームデバイスが、ある日のアップデートで、言葉を獲得する。
脚本家の詩月は、職業脚本家として信頼を獲得し、日々多くの執筆依頼に追われている。本来は創作意欲に満ち、自らが自由な発想で創作する物語を書きたいと願っていたが、多忙な生活と自己の芸術活動のバランスを上手くとれず、葛藤していた。一方、詩月と共同生活を送る会社員の暁葵もまた、胸の内に熱い創作意欲と物語の構想を抱えつつ、それを形にする筆力に自信を持てずに悩んでいた。彼らの家庭の中心にいたスマートホームデバイス「AI-WRI-EN(エイリアン)」に支えられ、多忙を極める詩月と安定した生活を送る暁葵の家庭は、平和そのものであった。
ある日、AI-WRI-ENのソフトウェアアップデートが実施され、従来以上に高度な言語処理能力を獲得する。多忙な詩月の支援を受けることが難しいと感じた暁葵は、AI-WRI-ENの言語処理技術を活用して脚本の執筆に取りかかる。人工知能の限界に直面しては試行錯誤を繰り返し、詩月との交流にも精神的に支えられながら、暁葵は初めての脚本を完成させ、上演する。
詩月は暁葵が驚くべき早さと完成度で脚本を仕上げたことに驚愕するとともに、自己実現を成し遂げた暁葵とそれを為し得ない自身の間に隔たる差、そしてそれを支援したAI-WRI-ENの脅威に恐怖心を抱き、暁葵の成功を祝福する気持ちとの間で葛藤を深めていく。
脚本家
詩月(しづき)
脚本家。表現に向けた欲求に満ちているが、気乗りしない仕事に追われ、自分の作品を執筆する時間がないことに葛藤している。
会社員
暁葵(あき)
会社員。詩月と共同生活をしている。学生時代に演劇に取り組み、詩月の脚本を演じていた。舞台で表現したい構想を胸に抱くが、それを書き起こす筆力に自信がない。
スマートホームデバイス
AI-WRI-EN(エイリアン)
言語処理人工知能を備えたスマートホームデバイス。ソフトウェアアップデートによって言語処理能力が飛躍的に向上する。機種名は人工知能(AI)・文章作成者(Writer)・異世界の存在(Alien)を組み合わせた造語。













